私の洋酒遍歴

●私のお酒との出会い

 私がお酒のうまさに目覚めた最初の瞬間は、東京から宮崎へ同僚と二人で出張に来て、宮崎のあるバーで一杯6000円の「バランタイン30年」をマスターに半分づつ分けて飲ませてもらった時でした。 最初、ロックで頼んだのですが、一口飲んであまりのうまさに、あわてて氷を全部出してストレートにしてもらった事を覚えています。 その頃は、ウイスキーにシングルモルトとブレンディッドがあることも知らなかったのですが、それからは飲むウイスキーの味を非常に気にするようになりました。 バーに行くたびに必ず飲んだことのないものを注文するようになり、次第に自分の好みの物が分かるようになりました。

 ウイスキー以外にも、カクテルの味のバラエティーの豊富さにも興味がわくようになり、カクテルについても一通り飲むようになりました。 ガイドブック片手にバーに行くことが多くなりましたが、すぐに自分で作った方が安上がりということに気づき、少しずつカクテル用のリキュールを買い足していき、大体の物は自宅で作れるようになりました。 どうしても作れない物、新鮮なジュースが必要な物についてはやはり専門のバーに行かなければなりませんが、これも次第に自分の好みの物が固まっていきます。 自宅でも、たまにカクテルパーティーを開いていますので、遊びに来て下さい。 自宅でパーティーを開くときはやはりどれだけ多くの種類の、おいしいジュースを確保できるかで作れるカクテルが決まってきます。 特に、ココナッツジュースのいいのがなかなか手に入りません。 缶詰のざらざらしたの以外に、いいココナッツジュースはどこで買うことが出来るのか教えて下さい。

 ビールのおいしさに引かれるようになったのは、ここ3年くらいです。 東京、神楽坂にある世界のビール専門店に行ったのが始まりで、世界のビールの味の違いの大きさと、本当においしいビールがこの世にあるものだという驚きと、ビールという物に対する国による接し方の違いに驚かされました。 やはり、日本などと違いヨーロッパの人のビールに対する真剣さは、清涼飲料水のような感覚の日本とは桁が違います。 残念ながら、宮崎でおいしいヨーロッパのビールを入れている店は、私の知っている限り2店だけで、個人で入手できる種類も極端に限られており、宮崎でおいしいビール生活を送ることはいささか困難な状況です。

 御多分に洩れず、昨今のワインブームが始まる少し前から
もワインの世界に入りたいと、画策をしてきたのですが、何しろワインの場合は他の物と違い、1日に何種類も味わってそれを比較していくという作業は、「さいふ」と相談していかなければなりません。 1万円以上するスコッチを購入しても、それは何ヶ月にも亘って少しずつ味わっていくことが出来ますが、ワインの場合はその場で飲みきり、少なくとも一週間以内というキビシー制限があるため、一本4千円以上するワインはそう簡単に買うことは出来ず、「こころざしなかば」どころか「入口に立って」すぐに、ギブアップしてしまいました。 たまにおいしいワインに出合っても、比較する対象の味を既に忘れてしまっているのでなかなか前に進まないのです。 ワインに関しては、友人の山本氏(自宅に200本以上所蔵)に少しずつ手ほどきをしてもらいましょう。

              【我が家の洋酒棚】

       約80本入っています。



 ●お酒の上の失敗談

 いっぱいあり過ぎて何を書いて良いやらわかりませんが、とりあえず。。。。

  【スポ・ドカ・バシ事件】

あれは、入社して2年目の冬の出来事でした。
会社の仲間とだいぶ飲んで、宮崎の中央通りという繁華街の狭い道路をうだうだ歩いていると、車が渋滞して連なって止まっていました。その中の一台がアメ車でいらだだしく大きな音を立てて空ぶかしをしていました。その車のそばにさしかかった時、「うるせえなぁ」という意味で足で蹴る
ふりをしました。 そしたら何と、靴が「スポ」と抜けて弧を描いて例のアメ車の方に飛んでいきます。 うわっと思う間もなく、「ドカ」とアメ車の後部に命中。 のろのろ動いていたアメ車は、ここでビタッと停止します。 この時点で、私の連れ(5人程度)も、その辺を歩いていた人も事の重大さに気づき全員静止。 ガチャッとアメ車のドアが開き、皆の予想を全く裏切らないお約束のように、サングラスをかけたパンチのでかいお兄さんが降りてきました。 ここで私も一目散に逃げれば良かったのですが、何を血迷ったか、「靴がぁ〜〜」とか言いながら、アメ車に近づいていき靴を拾おうとします。 怒り狂ったお兄さんは、なにやら叫びながら私のえりくびをつかみ、「バシ」と殴りかかります。 こうなるともう、黒山の人だかり状態です。 連れの人間が必死になって殴るのをやめさせようと、説得しているその向こうの人だかりの中に、連れの何人かが「やじうま」としてこちらを見ているのをしっかり確認してしまいました。 お兄さんは相変わらずいたぶるのをやめず、私を車に乗せてどこかに連れていこうとします。 ただ、車に乗っているのがこのお兄さん一人だったことが幸いし、ものすごく膨れ上がった見物人と車の列にお兄さんはばつが悪くなってと見えて、車に乗せるのを諦めて猛スピードで走り去っていきました。 「やじうま」だった連れも、急に友人に戻りいろいろ心配してくれました。

  教訓その1 : うるさい外車がいても、決して蹴るマネをしてはいけない
  教訓その2 : 怒ったサングラスのお兄さんが近づいてきたら、こちらから近づいて行ってはいけない
  教訓その3 : くつは後で拾いに行く
  教訓その4 : 友人がお兄さんにいたぶられていたら、とりあえず「やじうま」になる選択肢も考慮する

とりあえず、大事に至らなかったのだけど、酒を飲んでいると殴られても痛くないんですね。